ノベルログ

フリーゲームのノベル・ADVのレビュー(感想)など

カテゴリ:ミステリー

Cursed Mail

ある日、携帯電話に呪いのメールとやらが送られてきた。
知り合い2名にこのメールを転送しなければ、近いうちに命を落とすという内容だ。
くだらないイタズラだと思っていたが、その2週間後、クラスメイトが自殺した。
彼は呪いのメールを無視したのだという……。


呪いのメールの謎を解く学園ホラーミステリー。
主人公が呪いのメールにどのような対応をするかによって、9種類の結末へ分岐します。

1周目はあえて呪いを信じる方向でプレイしてみましたが、呪いのメールがじわじわと拡散され、主人公の周囲を侵食していく様は、なかなか怖かったですね。

現実で有り得そうなシチュエーションだけに、自分ならどうするだろうか、やはり怖くて転送するかもしれない……などと考えながら、感情移入できました。

どちらかというとホラーよりミステリー色のほうが強めで、クリアしてみると意外にも爽やかな青春物語でした。

1周目はセーブ・ロードが出来ず、1周目を終えて初めてタイトル画面が出る仕掛けになっています。

LiveMaker作品の場合、選択肢時のセーブデータの区別が付かなくて困るのが常だったのですが、本作はセーブデータに選択肢の内容が判りやすく記載されていて親切でした。


【HP】雨夜曲切 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】周:20分/総:1時間半 
【ツール】LiveMaker 
【容量】19MB 
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カテゴリ: ホラー・オカルト  ミステリー 

The 時給探偵~17時までの名探偵~

jikyuu

空澤木ココゴロウが経営する「からさわぎ探偵事務所」には、今日も依頼の電話は無く、家賃もろくに払えない有様。
そんな小さな探偵事務所に、なぜか男の死体が転がっていた。
この死体は誰なのか、何故ここに死体があるのか、全くの謎。
空澤木は、この謎の解明を何らかの形で誰かからの依頼ということにして金を稼げないかと考える。
アルバイト助手の駒小舞とまと少年のシフトは17時まで。
それまでの90分間で空澤木探偵は死体の謎を解くことが出来るのか?


冴えない探偵と、定時までしか働かない助手のミステリーコメディ。
2010年に公演された「劇団東京都鈴木区」の舞台をノベル化したもの。

舞台の脚本をそのまんまシナリオに、役者さんの立ち姿の写真を切り貼りで立ち絵風に、各シーンの舞台写真をスチル風に仕立てられています。

舞台の脚本なんてなかなか読む機会もありませんし、実際に公演された舞台がノベルゲーム形式で再現されているのは新鮮でした。

元が舞台だけあって、シーン毎のスチルが豊富で、切り貼りの立ち絵写真もいろいろなパターンがあり、ビジュアル面でも楽しめました。

登場人物が皆とぼけた人たちばかりで、死体が目の前にあるというのに大して深刻になるわけでもなく、グダグダと呑気な会話を繰り広げています。

そういうノリなので、てっきり「実は死んでませんでした~」みたいなギャグオチを予想していましたけれども、ラストは意外にもシリアスな犯人解明でした。

彼女]一人だけ[ピンスポット人物紹介]が無かったのは、すっかり見落としていましたねえ。

他の舞台作品も随時ノベル化予定とのことなので楽しみです。

テキストがページを跨っていて読みにくいので、そこは直していただけると嬉しい。


【HP】劇団東京都鈴木区 
【DL】App Store 
【媒体】iOS 
【価格】無料 
【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 
【プレイ時間】1時間10分 
【ツール】Artemis Engine 
【容量】336MB
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カテゴリ: ミステリー  スマホ(ノベル) 

月槍譚 -Mind of A Lunatic-

田舎の風習が強く残る蒲根市美津区で、祭りの夜に起こった殺人事件。
その事件を担当していた女刑事の朝倉美耶子は、学生時代からの先輩である新波警部補のもとへ押しかけ、事件について意見を求めるが……。


とある祭事で起こった事件について、女刑事と男刑事が論じ合うミステリー風短編。

最初に分かるのは、何か事件があったらしいということだけで、どこで何が起きてどんな事件になったのか、読者側は全く分かりません。
女刑事と男刑事の会話もなかなか核心には触れず、焦らしてくれます。

提示された資料を男刑事が読み解いていくうちに、少しずつ事件の姿が浮かび上がっていく。
そうやって徐々に全貌が顕になっていく過程が楽しめました。

実はこの刑事二人のどちらかが犯人とかいうオチでもあるんじゃないか?と疑いながらプレイしていたのですが、そういう種類の物語ではありませんでした。

男刑事による真相の推理はありますが、その推理が正しいかどうかを証明するものは無く、真実は闇夜に消えたまま。

しかし、それで良いのではないかと思います。
現実とはそういうものですし、もし男刑事の推理が正しかったとしても、その真相を暴かれることは誰も望んでいないのですから。

月夜の幻想が美しく、情緒のある短編でした。


【HP】月の水企画 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】15分 
【ツール】NScripter 
【容量】15MB 
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カテゴリ: ミステリー 

雨宿り 風峰神社怪異事件ファイル

amayadori1amayadori2

三月末日。
風峰神社で参道を掃除していた大地は、比奈子から「呪いの言葉」の話を聞く。
聞いただけで呪われてしまうという、禁忌の言葉。
よくある都市伝説だと思っていたが、翌々日、比奈子が失踪して……?


2010年エイプリルフール配布の嘘伝説推理アドベンチャー。
自作ゲーム『あまやどり』と日本一ソフトウェアのホラー推理ADV『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』を掛け合わせたホラーミステリー。

「呪いの言葉」に関わる比奈子失踪事件を『流行り神』のシステムで推理していきます。

自問自答で事件の内容を整理して、今後の捜査方針を決定する「Self-question」。
捜査中に得たキーワードを使って相関図を完成させる「推理ロジック」。
『流行り神』の独自の推理システムがしっかり再現されていて楽しめました。

推理システムだけでなく、あちこちに『流行り神』を模したギミックが散りばめられており、『流行り神』を知っているとニヤリとすること請け合い。

ホラー要素は若干ありますが、プレイ前にしつこく警告されるわりには、特に怖くありません。
ホラー的には、比奈子が呪いで凄惨に死ぬくらいのバッドエンドがあっても良かったかも?


【HP】優凪 
【プレイ時間】40分 
【ツール】CatSystem2 
【容量】39.1MB
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カテゴリ: ミステリー  April2010年作品 

あるお屋敷のクリスマス-お嬢様と執事編-

aruoyasiki

「サンタクロースからお嬢様にプレゼントが届いております」
朝、サヤカが目を覚ますと、部屋に自称サンタからのプレゼントが置かれていた。
サヤカは小学校に入学したばかりの子供だが、サンタが実在しないことくらい知っている。
クリスマスに独りぼっちの自分に同情して、執事の皆本が用意したに違いない。
そう思うと、怒りがこみ上げてきた。
プレゼントの送り主がサンタではなく皆本だということを『りっしょー』してみせる!


サンタが存在しないことを立証しようと頑張るお嬢様のお話。

あれこれ『むじゅん』を見つけ出して『りっしょー』しようとしますが、なにぶん子供なので、お粗末な推理ばかりで、老執事には敵いません。

やがてお嬢様がムキになってサンタを否定する理由も見えてきて……。

最後にプレゼントの送り主の正体を、プレイヤーが入力します。
普通に読んでいれば、答えが分からない人はいないでしょう。

ラストでお嬢様が見せた笑顔が、とても可愛かった。
心温まるクリスマス短編でした。

スクリーンショットを見ただけだと外国が舞台のように見えますが、日本のお話なのですね。

システム周りでは、セーブが無いのが不便。


【HP】新・古典派 
【ジャンル】ADV 
【プレイ時間】10分 
【ツール】吉里吉里2/KAG3 
【容量】2.34MB 
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カテゴリ: ミステリー  季節(クリスマス) 

阻止 ~橘康平の場合~

暑い夏の夜、大学の学部棟の前で待ちぼうけをくらっていたオレは、研究室に居たハシモトという男が女に刺される現場を目撃する。
目撃者のオレも女に刺され──そして目が覚めた。
どうやら悪い夢を見ていたようだ。
待ちぼうけをくらって暇なので研究室を覗くと、ハシモトが居た。
ハシモトを訪ねて来た女を見て、オレは強烈な既視感に襲われる。
その女は危険だ──!


殺人事件に巻き込まれる夢を見た主人公が、現実で起こる殺人を阻止しようとするお話。

よくある○○○○系の叙述トリックですが、しっかり騙されました。
なぜ外で待ちぼうけ?」とか「なぜ目撃者の叫び声を無視?」とか、あちこちで違和感を覚えつつも、なんとなく読み流してしまった。

シンプルな掌編で騙されると、複雑な長編で騙されるより悔しいですね(笑)

タイトルの「橘康平」という名前は作中に一度も出てきませんでしたが、結局、主人公の名前という事で良いのでしょうか?(アレの名前にしては変な名前ですが


【HP】ぬこのようなもの 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】5分 
【容量】10MB 
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カテゴリ: ミステリー 

ch.657 eight queen

eightqueen1

洋館に集められた八人の参加者が賞金二億円を巡って殺し合う、TV局の人気企画『エイト・クイーン』。
高校生の秋人は幼馴染の郁乃と共に企画に参加するが、ある参加者の提案によって事態は膠着する。
全員生存の場合も、わずかな額の賞金を得ることは出来る。
殺し合わずに、全員が生き残る道を目指すべきだと言うのだ。
この偽善に満ちた提案に、表向きは皆も賛同したかに見えたが、やがて第一の犠牲者が生まれる。
上辺だけの共同体を維持するため、秋人たちは犯人を捜し始めるが……。


殺し合いのために設けられた舞台で、密室殺人の犯人を探るというシュールな展開に。

「バトルロイヤル」と「密室殺人事件」という相容れない二つを敢えて混合させた制作側の試みは理解したいと思いますが、やはりどうしてもチグハグな印象は拭えませんでした。
結局ミステリーとしてもサスペンスとしても、いまいち中途半端だったような。

選択肢を間違えると即死なので、ストーリーは概ね一本道。

幼馴染の郁乃は元気で素朴な普通の女の子……かと思いきや、やたらと頭が切れる上に殺人も手慣れていてオソロシイ。
明らかにカタギの女子高生ではないのですが、一体どういう育ち方をしたのでしょうか。
参加者全員の背景を掘り下げる必要は無いかもしれませんが、最低限、主人公とヒロインの背景くらいは知りたかった。

緊迫感を煽る演出も不足しがちで、テキスト自体は悪くないのに物足りなさを感じる場面が幾つかありました。

二周目以降に追加されるエンディングについては、やや微妙な心持ちです。
こういった疑似ハッピーエンドもアリな気もするし、このような誤魔化しかたをしてほしくなかった気もする。
個人的には一周目のエンディングのままで終わっておいたほうが、作品としては美しかったと思います。

全てが終わった後に[DVD鑑賞]で種明かしというのは、TV企画ならではの手法で新鮮でした。

なんだかんだで楽しめたので、続編の『ch.657 eight queen 2nd』に期待。



【HP】circle-end(サークルエンド) 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】2時間 
【容量】57.4MB 
【ツール】NScripter

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カテゴリ: サスペンス  ミステリー 

犯人は田中

「安楽椅子探偵がやりたい」とゼノンが唐突に言い出した。
「俺様の素晴らしい頭脳を社会のために役立てたいんだ!」とか言っているが、要するに探偵って格好良い!とでも思ったのだろう。
宣伝チラシを60000枚ほど刷って空からばら撒いてきたという。
不法投棄以外の何物でもねぇ。
別の意味で警察のお世話になりそうだ……と呆れていると、さっそく警察がやって来た。
殺人事件の謎解きをゼノンに頼みたいと言う。ありえねぇ!


なんちゃって探偵のゼノンとツッコミ役のバシの反則ミステリーコメディ。
全15話。

1話に1件ずつ事件が提示され、ことごとく「ノックスの十戒」「ヴァン・ダインの二十則」を破りまくったアホなオチが付きます。
勘で犯人を当てる探偵やら、魔法を使った密室トリックやら、ミステリーを根源からぶち壊す反則だらけ。

次から次へと反則推理をかましていくゼノンと、律儀にツッコミを入れまくるバシのコンビが笑える。
ミステリーの基本ルールである十戒と二十則を程良く弄ってギャグに仕立ててあって上手い。

ルールを守らないと、こんなにグダグダになりますよ~という教訓として、ある意味、ミステリーに対して真面目な作品とも言える(かもしれない)。
メタネタ多し。

【HP】Sulptenon>nonet~寸劇集 
【ジャンル】ADV 
【プレイ時間】30分 
【容量】386KB 
【ツール】RPGツクール2000
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カテゴリ: ミステリー 

トリッシュの事件簿 #5 331B人喰い通り

trish

蒸気と深い霧に包まれた公国の首都リンドン。
ブラム街で探偵社をかまえるトリッシュは、新聞記者のクェスからリンドン七不思議の一つである“331B人喰い通り”の調査を依頼される。
一度は断ったトリッシュだったが、かつて恩師を学会から追いやったグラハム・バーカー教授が七不思議に関わっていることを知り、調査に乗り出すことに……。


少女探偵トリッシュが鋭い推理を披露して事件を解決するミステリー風ノベル。

可愛らしい絵で、メインキャラも女の子ばかりなので、一見萌え系にも見えますが、シナリオは意外と真面目でしっかりしています。

ちょこちょこ気の利いた台詞が織り込まれており、適度にユーモアのある会話が心地良い。

放蕩淑女のラズベリアは、第3話「探偵不在につき」では出しゃばった無神経な素人探偵ぶりが鬱陶しくて好きになれなかったのですが、今作ではきちんと礼儀をわきまえていて、彼女への印象が変わりました。

ラストの新聞記者のクェスのエピソードにはホロリ。

トリッシュの事件簿シリーズは現在、第3~5話をダウンロードできますが、最初にプレイするのは今作の第5話からをお勧めします。

RPGツクール製のため、スキップ無し、バックログ無し、文字速度調節なし、任意セーブ無し。
セーブ4個は少なすぎる。


※公開終了

【HP】笑傲江湖
【ジャンル】ノベル(選択肢なし) 
【プレイ時間】40分 
【容量】8MB 
【ツール】RPGツクールXP
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カテゴリ: ミステリー 

ナイ・アン・デ ~Night and Day~

2018年。国際関係の悪化により、世相の不安定な時代。
高校生の水無口陽一たち九人は、放課後に部室棟の一室で鍋パーティーを催す。
そのまま皆で寝入ってしまい、目が覚めると、街から人が忽然と消えていた。
誰もいない死の街。
夜が明けない奇妙な世界。
部屋に並べられた大量の武器。
そして、第一の殺人が起きる……。


サイコサスペンスノベル。
TURN1「何もわからない」、TURN2「二度と夜は明けない」、TURN3「もう誰もいない」、TURN4「初めから答えなどない」、TURN5「名探偵に不可能はない」の全5編。

各TURNは毎回同じ鍋パーティーから始まりますが、それぞれ同じ時間軸ながらも全く異なる展開と結末になります。
『ひぐらしのなく頃に』を連想させるループっぽい構成ですが、実はループではなく、別の真相があります。

TURN1~3では謎の世界に閉じ込められた生徒たちが疑心暗鬼に陥り、狂気と殺戮の惨劇へ。
TURN4では自称名探偵の浦澤深夜が連続殺人の真犯人と世界の真相を暴き、TURN5で全ての終息へ。

こういったひぐらしスタイル(ループ+謎かけ+惨劇)は、やはり面白いですね。
ある程度、シナリオを底上げしてくれると言いますか。

真相はツッコミどころ満載で、正直、お粗末な結末でした。
加えて、あちらこちらでご都合主義が目に付き、そのせいで一層、安っぽさが増しています。

しかしながら、TURN1~3あたりの残酷な物語はそれなりに緊張感があって楽しめましたし、TURNが進む毎に少しずつ登場人物たちの内情や関係性が明らかになっていくのも興味深く読めました。
カゲルいいよカゲル。

これだけのボリュームのシナリオを最後まで書き上げ、きちんと作品として完成させたことも評価されて良いと思います。

肝心の最終シナリオ(TURN5)がグダグダだったことが残念ではありますが、個人的には15時間以上かけて本作をプレイしたことを後悔してはいません。

シナリオ以外では、立ち絵とスチルの落差が激しかったのが残念。
立ち絵はわりと綺麗なのに、スチルを見てガクッとくることが多かったので、いっそスチルは無いほうが良かったかも。


【HP】ノンリニア 
【プレイ時間】周:3時間/総:16~17時間 
【容量】168MB 
【ツール】NScripter 
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カテゴリ: サスペンス  ミステリー