ノベルログ

フリーゲームのノベル・ADVのレビュー(感想)など

カテゴリ:和風・怪奇・時代

清廉潔白純潔地獄 体験版

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昭和三十年、晩春。
萱野森毬絵(かやのもり・まりえ)は孤島の見知らぬ館で目が醒める。
現状を把握できずにいる彼女の前に現れたのは、顔に包帯を巻いた禍々しい男。
それは、幼い頃に一度会ったきりの許婚・古館一馬の変わり果てた姿だった。
「おまえはもう家には帰れない」と一馬は告げる。
毬絵は一馬の花嫁になるために、ここへ連れてこられたと言うが……。


和洋折衷カーニバル怪奇ロマンADV。R-18。
エイプリルフール限定配布。

孤島の洋館で異形の男に囚われるヒロイン。
妖しさ溢れる乱歩テイストの怪奇浪漫です。

いつもの*coelacanth*さんの変態だらけのBLゲーに比べると、包帯男の一馬は姿こそ異形ですが、人格は割とまともっぽいですね。
毬絵を攫ってきたのもどうやら毬絵のためのようですし、カーニバルの女に会った後に毬絵を館に閉じ込めたのも、おそらく毬絵の身を案じてのことでしょうし。
暴虐で冷淡な風に振る舞っていますが、なんかもう、ただのツンデレにしか見えません。

主人公の毬絵は良家の箱入りお嬢様で、世間知らず。
彼女の「×××××(ピー)って何かしら?」のモノローグにはお茶吹きました。
すごいよ良家のお嬢様。

いつもの*coelacanth*作品では変態キャラにツッコミを入れまくる主人公が基本なので、天然ボケ寄りの主人公というのは新鮮でしたね。

彼女が、「ああ……嫌。嫌」「なんて品性下劣な……」「汚らわしい」などと性に関することを拒絶する度に、なんだか興奮しました。
この清楚なお嬢様を汚してやりたい気持ちがムラムラと。

サイトのあらすじによると、これからいろいろと陰惨な事件が起こるようですが、体験版ではそこまで行かないうちに終わります。
完成予定は無いとの事で、様々な謎も、気になる体験版ラストの続きも、謎のまま。
お兄様と淫らなことをする展開も見たかったですね。


【HP】*coelacanth* 
【対象】18禁
【プレイ時間】40分 
【容量】6.04MB 
【ツール】吉里吉里2/KAG3 
【備考】2010/4/1-4限定配布 
novellognovellog │  
カテゴリ: 和風・怪奇・時代  April2010年作品 

箱入り娘のてるみどぉる

おいたが過ぎて、主たる人形遣いによって蔵の中の箱へ仕舞われてしまった人形の化物三体。
熱波渦巻く夏の蔵に辟易した三体は、涼を取るために怪談話を始めてみるが……。


2009年エイプリルフール限定ゲーム(フリー版)。
人形少女たちのグダグダ怪談話。

物静かなビスクドールの椿姫、無邪気な市松人形の市松、斜に構えた球体関節人形の瑠璃が、まったりと無駄話をしています。

存在自体が怪異である人形の化物たちが、怪談で肝を冷やそうとか言っているのが可笑しい。

一番手の市松は、寺に捨てられた市松人形の話。
アホなオチに脱力しつつ、住職が気の毒すぎて笑った。
市松は無邪気というかアホの子一歩手前というか、幼くて可愛いですね。

二番手の瑠璃は、浦島太郎やら桃太郎やらの混ざったカオス昔話。
あまりのカオスっぷりに、市松と椿姫が疲れた様子でツッコミを入れまくっているのが笑える。

三番手の椿姫は、蔵に閉じ込められた女生徒の話。
トリを飾るだけあって、きちんと怪談らしくシメてくれました。

フリーゲームではフルボイス作品は微妙な場合が多いのですが、本作は上手な声優さんが揃っていて違和感なく楽しめました。

※配布終了

【HP】花を吐く抄女 
【ジャンル】超短編御伽風幻談 
【プレイ時間】25分 
【容量】60.3MB 
【ツール】NScripter 
【備考】2009/4/1-4
novellognovellog │  
カテゴリ: 和風・怪奇・時代  April2009年作品 

妖怪不条理小咄・妖隠録(あやかくしろく)~しゃれこうべは嗤う

私は友人の志摩禰(しまね)に連れられて、彷徨うように闇の中を歩いていた。
やがて小川のせせらぎと共に、シャリ、シャリ……と米を研ぐような音が聞こえてくる。
見えないモノを視ることができる志摩禰が、音の主は小豆洗いという妖怪だと教えてくれた。
「あれはされこうべだ。小豆洗いが、されこうべを洗っている音だ──」


頼れる道先案内人の志摩禰と共に、妖怪だらけの奇妙な世界を探索します。

行く先々で出会うのは、元は人間だった妖怪たち。
畜生道に墜ちたヒトの成れの果て。

彼らと会う毎に、彼らが人間だった頃の小咄が挿入されます。
異形へと身を墜とすだけあって、それぞれ業の深い人生であり、歪んだ人間心理を堪能できました。
蜘蛛が大嫌いな女性の話には、妙に共感してしまった。

背景のそこかしこに妖怪たちが隠れているので、なんとなく嫌な予感を覚えていたら、予感的中。
あるモノの■■を答える事によって、3種類の結末へ分岐します。
そんな面倒な事やってられっか!という人にも、救済措置があるのでご安心を。

壱・弐・参の結末は、どれも味があって好きですね。
「終着・弐」はベタすぎて笑った。

終盤で[死神]が■■に音声で語りかける場面は、初め何も聞こえなくて、「この長すぎるウェイトは何……?」と不審に思っていました。
めちゃくちゃ音量を上げると、ヘッドホン無しでも、なんとか聞こえますね。

面白いオチだとは思いますが、ヘッドホン着用や音量激上げなどの特別な行為をしなくても楽しむことができれば、もっと良かったかも。


※ファイルバンクの『妖隠録』ダウンロード方法
(1)パスワード「shimane」を入力 
(2)「ゲストフォルダ ログイン」をクリック 
(3)「ゲスト 環境設定」で「ブラウザモード」を選択 
(4)「ayakakushi_v10zip」にチェックを入れる 
(5)「ダウンロード」アイコンの「各駅ダウンロード」を選択

※配布終了

【HP】偽書[香津宮綺譚] 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】25分 
【容量】24.7MB 
【ツール】吉里吉里2/KAG3 
【備考1】2008/10/2-16期間限定公開 
【備考2】2009/1/29再公開
novellognovellog │  
カテゴリ: 和風・怪奇・時代 

雨と猿

悪友から紹介された宿屋「おのや」を探して山で迷ったあげく、崖から落ちた越川は、山小屋に住む「猿丸」という若い男に介抱される。
彼は、宿屋「おのや」の主人の義理の息子だった。
宿屋への道すがら、猿丸は越川に奇妙なことを言う。
「親父におれの話はしちゃいけない。親父の前じゃ絶対に猿丸の名を出さねぇで欲しいんだ。後生ですから、必ず守って下さいね……」


雨降る夜の災いに巻き込まれた旅人の影絵ミステリー。

一見地味な影絵ですが、これが実に生き生きと良く動く。
ピョコピョコ飛び跳ねたり、パチンと指を鳴らしたり、動きの一つ一つがコミカルで楽しい。

時として背筋がぞわぞわと寒くなるような恐怖もあり、明と暗の演出が巧みでした。

正気と狂気の狭間を行き来する宿屋の主人。
徹底して主人から姿を隠す猿丸。

猿丸は越川に請われ、宿屋「おのや」を巡る悲劇について語り始めます。

シナリオはミステリー要素もあり、ホラー要素もあり、サスペンス要素もあり、コメディ要素もありと、様々な様相を呈していますが、実のところは重くやるせない物語でした。

しかしながら、猿丸の愛嬌のある人物造形、越川と猿丸のユーモラスな掛け合いなどが陰鬱さを緩和して、絶妙なバランスを保っていたように思います。

細やかな演出と共に深い味わいのある良作でした。


【HP】どこだい 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】2時間 
【ツール】NScripter 
【容量】34MB 
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代  ミステリー 

真説・万華鏡奇談

父の後妻である義母が亡くなり、修造は三年ぶりに実家の桜屋敷へ帰ってきた。
六年前の春の夜、庭の桜の木で首を吊って死んだ母。
そして今、義母も同じように桜の木で首を吊った。
忌み子として土蔵に幽閉されている妹の櫻子は、義母の葬儀が執り行われた夜、狐を見たと言う……。


修一編『万華鏡奇談』、修造編『朧月夜鬼談』、修編『箪笥女』、修治編『桜花偽説』。
佐倉家の系譜をたどる四編の物語。

直系男子の名前が修○ばかりでややこしいですが、まとめると
「修造(祖父)→修治(父)→修一→修(息子)」となります。

『万華鏡奇談』は蔵と万華鏡を巡る和風ホラー。
他の三編を読んだ後で再度これを読むと、また違った読み方ができるかも。

『朧月夜鬼談』は艶かしくも陰惨な伝奇ミステリー。
和、怪奇、淫靡、悲劇と、好きな人にはたまらない内容で、四編の中で最も読み応えがありました。

『箪笥女』は箪笥と和人形を巡る現代ホラー。
大人ぶっている小学生の修が可愛く、親戚の香澄ねえちゃんとの関係も微笑ましい。
そ、そこで終わるのか!?という終わり方で、シンプルながらも、なかなか怖かった。

『桜花偽説』は“彼女”の孤独な心の一端に触れた短編。
『朧月夜鬼談』のラストの彼女にはゾッとしましたが、『桜花偽説』を読むと、彼女も哀れだと思いますね。

製作サイトに補完的おまけページ「佐倉考」があります。


【HP】偽書[香津宮綺譚] 
【対象】15推 
【ジャンル】ノベル 
【プレイ時間】2時間(奇:20分+鬼:1時間10分+女:25分+偽:7分) 
【ツール】吉里吉里2/KAG3 
【容量】17MB 
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代  ホラー・オカルト 

春裂きの悲鳴

白戸創一は友人の竹沢兄妹を連れ、八年ぶりに帰省する。
創一の故郷に伝わる雪童(ゆきわらし)の伝承と、不審な連続行方不明事件。
竹沢兄妹はその謎を追い、強引に同行してきたのだった。
婚約者の桜庭華乃の協力を得て調査を進めるうち、創一は幾度となく白い少女を垣間見る。
伝承の雪童のような姿をしたその少女は、創一に「おかえりなさい」と言った──。


レトロ民俗系幻想ノベル。

メインヒロインは悲哀系ヤンデレのロリ妹。
サブヒロインは[腹黒系ヤンデレ]の一途なお嬢様。

ヒロイン二人→竹沢妹→トゥルーの順でルートが開きます。

トゥルールートで邪悪な本性をご披露してくれた黒幕に惚れた。
最初の[ほんわか微笑みスチル]と最後の[黒々病みスチル]の対比が効いていますね。
いわゆるヤンデレらしいヤンデレというと、ロリ妹より黒幕のほうかも。

脇役の竹沢兄妹も良い味を出していました。
糸目の人が初めて眼を開く瞬間って、萌えますよね。


【HP】空色天体博物館 
【プレイ時間】周:45分/総:2時間
【ツール】LiveMaker 
【容量】75.6MB
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代 

超戟的侍伝

Oh!江戸時代後期。
その男、NEO新撰組の斎賀盈といふ者。
日ノ本の国の明日の為、男は斬る。
奸計を企む不逞浪士・石坂捨蔵を滅殺せよ!


血湧き肉踊る侍ドキュメンタリー。
スピード感溢れる大胆な演出とノリの良い音楽で、最初から最後まで一気に駆け抜けます。
ひたすら爽快かつ痛快で気持ちいい。

鑑賞を主としたムービー的作品で、作中に3回あるRPG風戦闘もバッサリ斬って終わるネタ的なものです。
そんなネタ戦闘さえも、何度も繰り返し観ていると邪魔になってくるので、一度クリアした後は戦闘抜き&操作無しの徹底鑑賞モードが欲しかった。

今まで有りそうで無かった、突き抜けたセンスの作品。
何回観ても飽きません。

ただ、過度な流血描写は要らなかったような気も。


【DL】3分ゲーコンテスト>第15回コンテスト4位 
【HP】- 
【ジャンル】ADV 
【プレイ時間】7分 
【ツール】RPGツクール2000 
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代 

蟲穢れ 第一章「海落とし」前編

卯月夜狐は、あらゆる異形に愛される子供だった。
人には見えぬはずのものが見え、聞こえぬはずの声が聞こえた。
夜狐に異常に執着する母親と、夜狐に怯え続ける父親。
夜狐を見守る異形の恋女。
十五の誕生日が近付き、夜狐の身辺に異変が起こり始める……。


美しく妖しい怪奇物語。

不気味ながらも艶かしい独特の雰囲気に、どっぷり浸ってしまいました。
何なのでしょうか、このただならぬ色気は。

異形より夜狐の母親のほうが怖い件について。

父親はこんな風に虐待され続け、怯え続けて家畜のように生き長らえるくらいなら、15年前のあの時に死んでおいたほうが良かったように思いますね。
契約者本人が眼球を返却して契約を破棄することは出来なかったのでしょうか。

かつて父親が訪れた異形の巣へ夜狐が招かれ、15年前の再現でありながら、父と子の対比になっているのが面白かった。

鴉の「海が来る」という警告は何を示すのか?


【HP】ZIGZAG 
【ジャンル】連作幻想譚(選択肢なし) 
【プレイ時間】40分 
【容量】19.8MB 
【ツール】NScripter
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代 

蟲穢れ 体験版

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気が付くと、彼はそこに立ち尽くしていた。
周りには、ただ暗い闇ばかりが広がっている。
目の前に浮かび上がる紅い階段をぼんやりと見つめていると、闇の中から着物姿の少女が現れた。
少女は愛らしく微笑み、彼に尋ねる。
「ねぇ、おじ様はどっちなの……?」


2007年エイプリルフール限定配布の幻想ホラーノベル。

事故に遭い生死の境を彷徨った男が、まだ生まれていない我が子を異形に売るエピソード。
主人公の父親の15年前の体験を描いたプロローグ。

ZIGZAGさんの作品はどれも雰囲気が良いのが特長ですが、本作はまた一段と雰囲気抜群でした。
嘘ゲーにしては、かなり気合いが入っているような。
「2007年7月公開予定」というのも妙に具体的ですし、実は本当の企画かも?
(だったら嬉しい)

【追記】
その後、「体験版」改め「第零章」として再公開されました。(2007/8/20)


【HP】ZIGZAG 
【プレイ時間】15分 
【容量】10.9MB 
【ツール】NScripter 
【備考】2007/4/1限定配布(体験版)
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代  April2007年作品 

斬人伝 『屍鬼の村』

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山間の小村に住む武家の息子の竜之進は、毎日のように寺へ通い、住職の元で学んでいた。
住職の一人娘であり幼馴染であるお雪と竜之進の仲睦まじさは、村中が知るところであった。
いつものように寺で学び、帰路を歩いていると、見知らぬ壮年の武芸者とすれ違う。
竜之進は、武芸者から不吉で禍々しい気配を感じるが……。


和風伝奇ノベル。
主な登場人物は、若武者の「竜之進」、幼馴染の「お雪」、武芸者の「斬人」。
物語の進行に応じて3人の視点が切り替わりながら展開します。

初回プレイでは真相も判らぬまま悲しいラストになりますが、エンディングを重ねることで選択肢が1つずつ増えてゆき、最終的に5つ目のエンディングでトゥルーエンドを迎えます。

増殖する「屍鬼」と、人を喰らう「化骸」。
ラストで明かされる意外な真実。
互いを想い合う竜之進とお雪の姿が切なく、胸に響きました。

BGMは全て自作で、全11曲の和曲。
トゥルーエンド後に流れるエンディングテーマ「旅路」を聴きながらスタッフロールを眺めていると、これまでの物語が思い起こされ、しみじみとした感動と寂寥感が込み上げました。

無駄なく引き締まった良質な短編です。


【HP】narratif 
【プレイ時間】周:15~20分/総:1時間 
【容量】22.4MB 
【ツール】NScripter
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カテゴリ: 和風・怪奇・時代  伝奇・異能・活劇